スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[--/--/-- --:-- ] | スポンサー広告
素敵SSいただきました!(後編)
ではでは!素敵SS後編!アップさせていただきますっ!!

続きを読むをポチッとなプリーズ!!
嫁と、バレンタイン。後編



ぐる眉は、水族館が好きだ。
以前、幼稚園の遠足の行先が水族館だと聞いて、本気で羨ましがっていた。
『オレ、魚たちが泳ぐ姿を見るのが好きなんだ。キラキラしてて、すげェ綺麗だよな』、って。
自分の方が よっぽど綺麗な蒼い瞳をキラキラと輝かせながら、そんなことを言っていた。



(だから。魚の形をしたクッキーを作ろう)



魚なら、ティラノザウルスやらヘラクレスオオカブトやらと違って 割と簡単に作れるはずだ。
いろんな形の小さな魚型のクッキーを たくさん焼いて詰め合わせれば、きっと可愛くなる。

生地を千切って、捏ねて丸めて。
台の上で、形を作って…



「…ぞろ先生。それ、なに?」
「…」
「へび?」
「…ちがう」
「こっちのは、やじるし?」
「…いや」
「わかった。ロケットだ!」
「…」
「ああ、ぞろ先生が泣いちゃうよ!」
「助けなきゃ!」
「ぞろ先生、一体なにが作りたかったの!?」
「…おさかな」
「ええ!!」
「おさかな、だと!?」
「こりゃ大変だ!ちょっと女子、なみ先生も!自分の作んの終わったヒト、手伝って~!」
「え?なになに??」



あらかた作業の終わった子どもたちが オレの周りに みんなで集まって、魚の形をしたクッキーを一緒に作ってくれる。
ビビ先生やラキ先生も子どもたちの作業を手助けしてくれて、小さくて可愛い魚たちが台の上に いっぱい並び出した。
ぐる眉も、何事?と しきりに此方を気にしているようだけど、ナミが ぐる眉の相手になって、うまく 意識を逸らしてくれている。


yomezs3_convert_20140321213451.jpg




「わかった。ぞろ先生のお魚は、ヒレがないからおかしいんだよ!」
「ヒレ?あっ、そうか」
「目玉もつけると可愛いよ」
「おお、ホントだな」
「ぞろ先生の作る お魚は、海のスッゴい深いところに住んでそうだね…」
「深海魚ってことか。うん、言い得て妙だな」
「…ぞろ先生、自分で納得しちゃったよ」
「見て!ぞろ先生、リラ マンボウ作ったよ!」
「おっ、可愛い。上手だなあ、リラ」
「先生、オレ キハダマグロ作った」
「…おまえ 職人だな、カケル」
「おお!ぞろ先生のお魚、お魚に見えてきたじゃん!」
「ホントか!?やった!」
「あはは、先生喜びすぎ」
「先生、見て!オレのティラノ、完成したよ!」
「オレのヘラクレスも出来た!どう?先生!」
「うん、オレが悪かった!オレの完敗だ!」
「あはは!」



この子たちとも、3月になればお別れだ。
寂しくなっちまうなあ、なんて思いながら、出来上がったクッキーの生地と一緒に記念写真を撮ってやる。



「先生、生地 もうないよ!」
「お?終わったか!みんな、手伝ってくれて、ホントに ありがとう」
「全然いいよ!先生、このクッキー さんじおにいちゃんにプレゼントするんでしょ?」
「…、え」
「ちょうど、バレンタインの時期だもんね!タイミングばっちりだよね~!」
「え…えっと、リラさん、エミリさん。オレが このクッキーを ぐる眉にプレゼントするっつうのは、どうして」
「え?だって、おにいちゃんって お魚さんが大好きじゃない」
「この間 遠足で水族館に行った時もね、お土産に、みんなで綺麗な お魚のキーホルダーをあげたんだよ。
 おにいちゃん、すっごく喜んでくれたんだから!」
「ああ…それって もしかして、オレが皆さんから ナマコのぬいぐるみを貰った時の話ですかね」
「だから、お魚の形のクッキーなんて、絶対に さんじおにいちゃんへのプレゼントだな、って思ったの!」
「それに。ぞろ先生、さんじおにいちゃんのこと大好きでしょ?」



キラキラ。
子どもたちから 穢れのない瞳で まっすぐに見詰められ、思わず う、と言葉に詰まる。



「…っ、そりゃ…まあ」
「ぞろ先生、すっごく一生懸命に深海魚クッキー作ってたから、すぐに分かったよ。あっ、さんじおにいちゃんにあげるんだ!って」
「…、深海魚」
「ねっ、さんじおにいちゃん、絶対喜んでくれるよね!」
「ぞろ先生、ここがショーネンバよ!」
「頑張って、ぞろ先生!」
「いけいけ、ぞろ先生!」
「ファイトだ、ぞろ先生!!」



子どもたちが片目を瞑って、キラリン!と右手の親指を突き立ててみせる。
オレはもう、返す言葉すら見つからなくて。
だけど なんだか楽しくて嬉しくて、一緒に親指を突き立てて みんなで声をあげて笑った。







******








「ただいま」
「お帰ェり!風呂わいてるぞ、先に入っちまう?」
「おお。あ、これ」
「ん?」
「みやげ」
「…、あ!深海魚クッキー!」
「…深海魚じゃねェ、つの」



むう、と唇を尖らせるオレに、ぐる眉が あはは、と笑い声をあげる。
オレのコートと、鞄を受け取って。
廊下を歩くオレの後ろから、ニコニコしながら着いてくる。



「よしよし。今年は去年のヤツよりも ちゃんと お魚さんに見えるぞ」
「上達しただろ」
「したした。ちゃんと、お魚さんだ」
「やった」



廊下を歩きながら居間に顔を出し、食事の支度をしている親父と母ちゃんに『ただいま帰りました』と 声を掛ける。
『お帰り』と応えて笑う両親に、ぐる眉が おどけたように笑う。



「お義父さん、お義母さん。今夜は夕食の後、ゾロの お魚クッキーで お茶しましょうね!」
「はは。なるほど、もう そんな時期になりましたか」
「嬉しいわ。味だけはいいのよね、ゾロのクッキー」
「誉めてねえだろ、母ちゃん」



笑いながら自分たちの部屋へと入って、サンジの細い腰を抱き寄せて ただいまのキスをする。
いつまで経っても ふわ、と白い頬を紅く染めて恥じらってくれる表情が、ホントに可愛くて愛しくてしょうがない。



「…ゾロ、ほっぺた冷てェ」
「外、寒かったんだ。あっためてくれよ」
「ん…」



ぎゅ、と 抱き合って。
スリ、と 滑らかな頬を摺り寄せてくれるサンジに 簡単に限界突破しそうになって、ハッと我に返る。
ヤベエ、ヤベエ。
早く風呂入って食卓に つかねェと、親父たちが待ってるんだった。



「…ゾロ、上着貸して。後で、アイロン掛けといてやる」
「あ、うん。悪ィな」
「お魚クッキーも、今回が最後だと思うと ちょっと寂しいな」
「まあ、仕方ねェよ。いつかはウチを継がなきゃ、ってのは 最初から分かってたことだしな」
「…そうだな」
「そういえば、今日 園に、エミリたちが来たんだぜ。もうすぐ、小学校の卒業式なんだと」
「えっ、エミリちゃんたちが?そっかぁ、あのコたち、もう中学生になるのかぁ」
「たまたまタイミングよく今日カオを出しやがって、『ゾロ先生、まだ深海魚クッキー作ってんの?』って大爆笑された」
「あはは!」



あの時 オレの背中を押してくれた愛すべき卒園生たちは、いまだに ちょくちょく園に遊びに来てくれる。
オレとサンジの結婚式の時には ゆり組全員が勢揃いしたビデオレターを贈りつけてきて、
会場中を 笑いと感動と涙の渦に巻き込んでくれやがった。
そんなアイツらも、間もなく中学生。
ホント、時の経つのは早いもんだ。
男手が足りないから、と請われて働き続けていたGL家政保育短期大学附属幼稚園にも 今では ずいぶん若い男性保育士が増えてきたので、
オレは 今年度で退職して、実家の寺の幼稚園を継ぐことになった。
とはいっても まだまだ親父が現役バリバリだから、暫くは またイチから下働きだ。



「オレの退職祝いとみんなの卒業祝いを兼ねて、ウチの寺でパーティーをしたいって言ってたぞ。
 久しぶりに おまえにも会いたい、ってさ」
「そうかあ、嬉しいな…!お義父さんたちに聞いてみようぜ、きっと、ダメだとは仰らないだろ?」
「そうだな」



ウチの親父も母ちゃんも、とにかくサンジには甘い。
若奥さんとしての寺の仕事も 幼稚園の食事やおやつの管理も 一切を引き受けて しかも妥協がなく、
その上 心根のいいサンジを両親は大層気に入っていて、

『親の私たちが言うのもなんですが、こんなにいいお嫁さんが ウチの息子のような朴念仁に、よくぞ嫁いできてくれたものです』

と 周囲にも本人にも平素から言って憚らない。
オレ自身 そう思わないでもないので、まあ、特に反論する気もないのだが。



「なあ、ゾロ」
「ん?」
「エミリちゃんたちが、集まってくれるってことは。ビデオレターのアレ、またやってくれんのかな?」
「アレ、って?」
「『ぞろ先生の告白シーン再現ドラマ』」
「あっ//!あれはもう勘弁してくれ!!」
「あはは、そう?」







『ぐる眉…このクッキー、お、おまえにっ』
『え?オレに?』
『おう…!みんなに手伝ってもらって作ったんだ、おまえの好きな、魚の形のクッキーを たくさん…!』
『わあ…ありがとな。ちっちゃい水族館みてェだ』
『…っ//…、あの…そんで、…もし、よかったら…っ』
『うん?』
『こ、今度!すす、水族館で デートしねェか?!』
『あ?デート?』
『そう!』
『オレと、テメエが?』
『そうそう!』
『別に、水族館に行くのは構わねェけど。でもソレって、別に「デート」って言わねえだろ?』
『違う!オレは、デートがしてェんだ!』
『っ、なんで?』
『だって、オレ…!おまえのことが、好きだから…!』



だから、オレと付き合ってくれ!と、地面に額がつくほど頭を下げた、あの時。
背後から一部始終を見守っていた ゆり組の連中が一斉に走り出してきて、一緒になって頭を下げてくれた。
オレと子どもたちの勢いに圧されたように、

『す…、水族館に行くってところからで、いいなら』

と頷いてくれた、サンジの答えを聞いて。
オレは 喜んで飛び付いてくる子どもたちに押し潰されて揉みくちゃになりながら、みんなで腕を振り上げて、
思いっきりバンザイ三唱したのだ。




――…その、一部始終を。
細部にわたり きっちりと再現ドラマに仕立ててくれた ゆり組のヤツらのハイスペックさには、ホントに舌を巻いたのだけど。
どうやら ロビン先生を始め、GL幼稚園の先生方が一枚も二枚も噛んでいたらしいと聞いて、妙に納得したんだっけ。





「まあ、いいけどな。再現ドラマなんざして貰わなくても、オレは あの時のテメエの一言一句、ぜ~んぶ覚えてっから」
「…やめろっつの、恥ずかしいだろっ//」
「なんで?オレは、嬉しかったけどな?」



ふふっ、と 端正な顔を ほんのりと紅く染めて。
サンジが チラリと、蒼い瞳でオレの顔を見る。



「オレ、あんなに心の込もったバレンタインのお菓子貰ったの、初めてだったんだぞ?クソダーリン」



慣れない指先で必死になって作った、魚の形の小さなクッキー。
不器用なオレが作った不恰好な見てくれに惑わされず オレの想いを ちゃんと受け取ってくれたサンジは、
唯一無二のオレの嫁さんだ。



「…、よかった」
「ん?」
「おまえに逢えて、よかった」
「…、ゾロ」
「オレの、嫁が。おまえで、本当によかった」




短大時代、何度も何度も、サンジを嫁に貰う夢を描いた。
こうして腕に納めてみれば、あの頃 描いていた夢物語よりも、現実は毎日が薔薇色だ。



「ずっと、死ぬまで。飽きるほど傍に居てくれよ?大事なオレのお嫁さん」



ぎゅっと抱き締めて、冷たい鼻の頭に唇を当てて そう言うと。
擽ったそうに 小さく身体を竦めながら、蒼い瞳が柔らかに笑んで。
艶やかな紅い唇が、はい、と ハッキリと答えてくれた。


yomezs4_convert_20140321213518.jpg






end.

(2014/01/26)


※お願い※
大事な大事ないただきものですので、お持ち帰りやコピーは絶対にしないようにお願いします。
ご了承くださいませ<(_ _)> byたろま



挿絵を描かせていただきました~v楽しかったですっ!めっちゃ楽しかったですっ!!相互お祝のお話いただいた時に『幸せな「嫁ゾロ」』をリクエストした自分GJ…っ!!(歓喜)

描きたい場面がホントたくさんありまして、いろんな構図を妄想したり描いたり描いたりw楽しい幸せ萌え時間を過ごさせていただきましたっ!

にあ様、改めましてこの度はありがとうございましたっ!!
大好きですっ!!(大声)


(2014/03/21)
スポンサーサイト
[2014/02/02 10:14 ] | 宝物 | コメント(1)
<<原稿途中&袈裟姿ゾロ2枚&返信(~2/6) | ホーム | 素敵SSいただきました!(前編)>>
コメント
たろま様っ、このたびは本当にどうもありがとうございました!
私の方こそ 大好きですっっ!!(大声)
[2014/03/21 22:59] | URL | にあ #5ftMaE/E [ 編集 ]
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。